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※磁気データ消去・消去装置全般の一般的なQ&Aです。

磁気データ消去の必要性
最新技術では、プラッターの1mm四方の破片からデータが取り出せます。2.5インチHDD320GBのプラッターには、1mm四方あたり約50MB以上(5千万文字)のデータが記録されています。データを完全に読取れなくするためには、磁気メディア全体を消去する磁気データ消去が重要になります。
消去装置の発生磁力と消去可能ハードディスクとの関係
 通常、水平(面内)磁気記録方式ハードディスクのデータ完全消去には、そのハードディスクの保磁力(抗磁力)の約1.4倍以上の瞬間発生磁力が必要です。又現在、水平・垂直磁気記録方式ハードディスクの保磁力は360kA/m(4,500(Oe))程度です。水平磁気記録データの消去の場合、消去装置の発生磁力は余裕を見ても560kA/m(7,000(Oe))以上あれば完全消去できます。垂直磁気記録ハードディスクは水平磁気記録に比べ記録磁気の厚みが10~100倍あり、直流方式の消去装置で消去する場合、一定以上(ms単位)照射時間が重要になります。照射時間を考慮すると発生磁力は600kA/m~850kA/mが最適です。560kA/m以下の場合は水平・垂直共に磁気記録のデータ消去が不完全になります。また、880kA/m以上の場合は照射時間が不十分になり、垂直磁気記録の磁気記録データ消去には注意が必要です。(ERAZERでの試験にて・特許 第5608917号)。
 垂直型磁気記録ハードディスクは、磁気異方性を垂直方向に持たせるため磁性体の厚みが水平磁気記録方式の磁気データより分厚く(水平の約10~100倍)。保磁力は水平磁気記録と同等程度です。瞬間発生磁力は560kA/m(7,000(Oe))以上あれば、瞬間発生磁力よりもプラッター磁性面の磁気異方性エネルギーを上回るトータル的磁気エネルギー(弊社独自 特許第5608917号)が重要です。又垂直型磁気記録ハードディスクの保磁力は、今後容量の増加、高密度化とともに、隣接磁気信号間の影響を少なくする必要があり、いかに保磁力の低い磁性体で垂直方向に磁気異方性を持たせ読み書きするかが重要な開発ポイントとなっています。
発生磁力が高いのに、垂直磁気記録方式の磁気データの消去ができない理由
水平(面内)磁気記録方式の磁気記録データの消去は消去装置の発生磁力が高ければ高いほど消去しやすいのですが、一般的消去装置はその構造上、発生磁力が高ければ高いほど磁気照射時のトータル的磁気エネルギー(発生磁力×照射時間・特許出願)が低くなります。
結果、水平磁気記録は消去できても垂直磁気記録のデータ消去が不完全になります。
消去の瞬間の音は何が原因ですか?
通常、磁力の発生そのものは無音です。磁力発生部の周り(板金・その他の関連部品)が磁力の影響を受け振動するときの音です。磁力発生部から外部への漏れ磁力が大きければ大きいほど、また、板金・関連部品の作りが甘いほど、大きな音が発生します。
従来の水平磁気記録方式ハードディスク(HDD)と、最新の垂直磁気記録方式ハードディスク(HDD)の違い
小学校のころ実験で使った棒磁石をイメージしてみてください。棒磁石はその棒の方向(長い方向にNとS)に磁化されています。この方向が磁性材の自然の磁化の方向です(水平磁気記録)。それをハードディスク(HDD)メーカーが技術改良を進め、見た目短い方向に(N/S)磁化させたのが垂直磁気記録方式です。従来の水平に磁化させた磁気記録データの消去は、そのプラッターの磁性面の保磁力のみを考慮し磁力をかけていればよかったのですが、垂直方向に磁化された磁気データを消去(破壊)するためには、保磁力以外に磁気異方性エネルギー考慮する必要があります。
磁気データ消去装置で消去した磁気記録ハードディスク(HDD)の再利用について
ハードディスクの再利用はできません。ソフト消去のように通常のデータだけが消去されるのでなく、磁気記録データすべてが消去されます。ハードディスク(HDD)製造時に記録されるサーボ信号(ハードディスクの磁気ヘッドがトラックを検出し、読み取り位置を決めるために重要な磁気記録信号)も消去されるため、ハードディスクのイニシャル動作もできなくなります。
注)磁気テープも、磁気によるサーボ信号を利用して読み書きする磁気テープは、サーボ信号の再書き込みができない場合、再利用はできなくなります。
磁気データ消去装置(磁気データ消去機)で消去したハードディスク(HDD水平、垂直磁気記録)で、消去できているかの手軽な確認方法
水平、垂直磁気記録ともに、磁気粒子10nmのコロイド液を利用し、消去前と消去後を比較することにより、目視で確認できます。(注:ハードディスク(HDD)を分解しプラッターを露出させる必要があります)
MFM磁気顕微鏡による磁気記録の確認とコロイドによる確認の違い
磁気コロイドによる比較と、MFM画像による比較をご参照下さい。コロイドはプラッター全体を確認することができ、安価で手軽な方法です。MFMでの確認は、細かい磁気ビットの形まで確認できますが、非常にミクロに見るため、プラッター全体を見渡すのは難しい。又最先端の技術で簡単には撮影できません。消去の確認に磁気ビットの形まで見る必要はなく、通常の場合コロイドでの確認で十分です。弊社は製造メーカーとしての責任からMFMでの確認も行っています。
コロイド液で検査する場合の注意点
消去装置の発生磁力は保磁力より十分高くても、消去のトータルエネルギーが磁気異方性エネルギーレベルより低いと、プラッターの表面の磁気パターンだけが消去され、中心部に磁気が残っている場合があります(特に垂直磁気記録ハードディスクの場合)。その場合、数時間後磁気データパターンは元の状態に戻ります。消去直後だけの検査で安心せずに、24時間後に再度検査されることをお勧めします。弊社の磁気消去装置ERAZERは発生磁力のみでなく磁気異方性エネルギーレベルを考慮した設計ですので、安心してご利用下さい。
コロイドでは垂直磁気記録HDDの磁気記録は確認できないことがある
高密度HDD、垂直磁気記録HDDは特に、プラッター表面が特殊コーティング(保護層)されています。保護層の処理をせずにコロイドを塗ってもコロイドは反応しません。消去前にコロイドを塗り、消去後と比較するようにしてください。また、保護層は簡単に除去できます。除去する方法は弊社にお問い合わせください。
コロイドペンは株式会社シグマハイケミカル様のシグマーカーSRを推奨(利用)しています。
磁気データ消去装置ERAZERはPSEマークについて
データ消去装置は国内で販売する為にPSEマークが必要です。もちろん、各種安全を確認し、PSEマークを取得し、機器に表記し出荷しています。又、国内では必要ございませんが、FCCやCEマークにも準拠した製品です。

※上記Q&Aにて解決しない場合は、メール又はお電話にてお問い合わせください。